『工具はともだち』について

本記事は産経デジタル 「cyclist」にて掲載されていた連載記事を再録したものです。

一部修正・画像の差替えを行っておりますが、内容は掲載日時点のものとなっておりますのであらかじめご了承ください。

工具はともだち<1> ボルトとナットは終電前のカップルのように

(cyclist掲載日:2012/06/22)

 

ある日、私のところに一本の電話が――「一度、お話をうかがいたいのですが」と、産経デジタルの女性スタッフの声。ドキドキしながら、東京・大手町の産経新聞社を訪問し、打ち合わせを始めると、あっという間にこの連載のスタートが決まりました。

 

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工具といっても、作業工具や切削工具などなど、世の中には様々な工具と呼ばれるものがあります。で、このコーナーでご紹介していくのは、一般的に作業工具とよばれる、ボルト・ナットを緩めたり、絞めたり、つかんだり出来るような道具を中心にお話ししていきます。

 

ちょっと宣伝になってしまいますが、私が勤めている某工具メーカーでは、大体この作業工具と呼んでいるものが、約1万2000アイテムくらいあるんです。もちろん、世の中の工具全てとなると、この何倍ものアイテムがあるんじゃないかなと思います(全てを計算したわけではないですが…)

 

でもご安心ください。サイクリストの皆さんに必要なのは、ほんの数アイテムです。これから何回かに分けてご紹介するツールさえ、上手く使っていただければ、プロ顔負け、とまでは言い過ぎですが、素敵な愛車を長く、良いコンディションでご利用いただけるはずです。自転車のコンディションが良ければ、もっともっと愛着も湧きますしね。

 

じゃあ早速、サイクリストのための「ともだち」をご紹介と言いたいところですが、その前に 一つだけ知っておいてほしいことがあります。それは、愛車の部品を締結しているボルト(ネジ)とナットのことです。

 ここからは、少し専門的に。絞めつけたボルト・ナットは、なぜ簡単に緩んだりしないんでしょうか?

 

実は、ボルト・ナットは、締めつけたことで、ボルトが戻ろうとする力が発生するためなんですよ(下図参照)。

 

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別れを惜しんで離れようとしない、終電前のカップルみたいなものです。お互い背を向けてはいるけども離れたくないなぁ、なんてシーンを思い浮かべれば、なんとなくイメージしていただけるんじゃないでしょうか。

 

ですので、彼や彼女がわがままを言ったりして喧嘩になる、ってシーンがボルト・ナットの世界で発生すると、部品がばらばらになっちゃったり、ボルト・ナットが外れて自転車の事故やケガに繋がったりしてしまうんですね。いつまでも仲良くしていてほしいカップルです。

 

そもそも、工具というものは、元来プロ御用達の品物であって、一言でいえばマイナーな商品でしたが、最近の自転車人気の影響もあって、多くの皆様にお持ちいただけるようになってきました。でも、実際にそれを使ってのメンテナンスとなると、ハードルが高く感じられますよね。

 

この連載では、初心者や女性の方々でも、少し背伸びしてチャレンジしていただけるよう、ゆる~い感じでの工具情報のご紹介をさせていただきます。たまには脱線しながら、“おっと、メーカーがこんなこと言っちゃいけないよ”的な裏話も交えてご紹介できればと思っています。

 

 

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