Overview

京都機械工具株式会社(以下、KTC)は、KTCのブランドで、自動車整備用工具、関連機器、その他一般作業工具などを提供する工具メーカーです。

本記事は、「Base on 3S」シリーズと題しまして、KTCの活動基盤になっている「整理・整頓・清掃」(以下、3S)活動から紐解く、工具製品を中心としたモノ(もの・こと)づくりについてご紹介していきます。

 

近年、外国人登用など多様化する人材や、様々な機器を使った複雑な作業では、安全を確保することが難しくなってきています。KTCでは、3Sを中心に様々な安全への取組みを行っていますが、今回は「安全啓発3S」について、ご紹介させていただきます。

安全とは

皆様は「安全な状態」と聞いて、どのような状態を想像されますか?

 

車の整備現場であれば、帽子や安全靴を装着している、サイドブレーキをしっかりと引いている、車両や機器類が動かないようにロックしている(安全機構が働いている)などの状態を思い浮かべるのではないでしょうか?

 

しかし、実際には「安全」は目に見えず、見えるのは「危険」だけです。そのため、安全な状態を確保するには、危険に対する感受性を高め、予知、予防をすることが、とても重要になります。

 

[安全に対する教育・訓練をする“みんなの安全ラボ”]

 KTCでは、安全教育の場として“みんなの安全ラボという施設を開設しています。ここでは、ローラー刻印機での挟まれ体感や、クレーン作業での荷崩れ体感、高温品体感など12種類の疑似体感装置で労働災害の疑似体感をします。さらに、実際に工場で使われていた加工機を用いて、安全に作業をするための正しい工具の使い方を学びます。

 この教育・訓練の目的は、疑似体感を通して危険を感じ取る能力を高め(危険感受性の向上) 、危険に対し適切に対応できる能力を身に着けること危険敢行性の回避)です。知識、経験、想像力によって培われる能力だからこそ、このような教育・訓練が必要になるのです。

 

>>​KTC “みんなの安全ラボ”に関するお問合せはこちら(どちら?)

安全を「高める」3S活動

それでは、目に見えない「安全」とはどういう状況のことを指すのでしょうか?

安全とは危険が限りなく少ない状態のことを指します。

 

つまり「絶対安全」は存在しないのです。

 

KTCでは、安全の土台となるのは「3S(整理、整頓、清掃)」だと考えています。

 教育・訓練で「危険感受性の向上」と「危険敢行性の回避」を身に着けても、「もの」が散らかっている職場では、安全な状態とは言えません。3S活動を徹底することで異常や危険個所が見えるようになり、安全な職場を実現することができるのです。

 

そこでKTCでは、3Sを徹底するために次のように定義しています。

KTCが定める3Sの定義

 ①整理今要るもの(生)、急がないもの(休)、要らないもの(死)に層別し、要らないものは捨てる。

    (「生・急・死」の区分は「時間軸」を基準に考えます。)

​ ②整頓…必要なものを、すぐに取り出せるようにすること

 

 ③清掃常にピカピカの状態を維持すること

下の写真は、作業現場で使用頻度の高い工具を「生」として、工具に表示・保管場所に標識をしています。

こうすることで、整理・整頓された状態が保たれ、清掃を通し、紛失や破損などの異常があれば気づくようになり、安全につながります。

 

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安全を実現するために必要な、正しい工具の使い方

KTCでは破損個所(ヒューズポイント)をあらかじめ設計し、社内一貫生産体制による品質コントロールを行い、お客様の安全を最優先したものづくりを行っています。また、ホームページでの啓発に加え、工具の使い方講習を高校や大学、企業のお客様に向けて実施しています。

 

講習では、正しい工具の使い方を中心に工具の構造・機能について説明していますが、その一部をモンキレンチを例にご紹介をいたします。

モンキレンチの正しい使い方

モンキレンチは、口径部をウォームで調整することで幅広いサイズのボルト・ナットを回すことができる便利な工具です。モンキレンチを使う際に、ボルトに対し回転方向があるのはご存じでしょうか?

 

モンキレンチの構造上、力をかけるときは、必ず下あご方向に回転させます。

「力を掛けるときは、下あご方向へ」「ボルトに対して直角に掛ける」がモンキレンチの正しい使い方です。万が一反対方向に力を入れると、工具の破損や思わぬ怪我につながる可能性があります。また、力を掛けるためにパイプを継ぎ足したり、ハンマーで叩いて衝撃を加えるなどの使い方も危険です。

(総合カタログより)

 

このようにKTCでは製品、企業活動を通し使う人の安全を実現する取組みを行っています。

皆様もこの機会に日頃お使いの工具の「正しい使い方」を確認されてみてはいかがでしょうか。

ポイント

​教育・訓練と3S活動の徹底で異常や危険個所が見えるようになり、安全な職場を実現する​

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「Base on 3S」シリーズ

KTCの活動基盤になっている「整理・整頓・清掃」(以下、3S)活動から紐解く、工具製品を中心としたモノ(もの・こと)づくりについてご紹介いたします。

 

Based on 3S vol.01 / 作業の流れを捉えた工具

Based on 3S vol.02 / 3Sをベースとした製品安全の実現​

Based on 3S vol.03 / 事例から見る3S活動と安全・安心な職場

Based on 3S vol.04 / 安全啓発と3Sについて

vol.04以降は後日掲載予定

Based on 3S vol.05 / 最上級を目指したものづくり

Based on 3S vol.06 / 能率・効率を高める活動