『工具はともだち』について

本記事は産経デジタル 「cyclist」にて掲載されていた連載記事を再録したものです。

一部修正・画像の差替えを行っておりますが、内容は掲載日時点のものとなっておりますのであらかじめご了承ください。

工具はともだち<31>工具が滑って「しまった!」に効く、「ツイストソケット」 通常の工具では緩められないボルトたちへ

(cyclist掲載日:2013/10/13)

 

#30トラブルでも安心! 固く締まったボルトや頭の潰れたネジを緩めてくれる、緊急対応に役立つツール

 

前回から引き続き、困った時のトラブル回避のお話です。未然に防ぐ方法に加えて、発生してしまったあとの対処法に役立つ“ともだち”のご紹介です。

まずは、ドライバ。正しいドライバの使い方は、ネジを押しながら回す「押し回し」がキホンでしたね。特にプラスネジは、「カムアウト」と呼ばれる、ネジを回す際にドライバ先端がネジの外に逃げようとする現象が発生するため、押す力と回す力の比率を7:3程度にします。もちろん、ネジの番手にあったドライバのサイズを選択することは、基本中の基本です。

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固く締まったネジを緩める場合には、押す力を強めにしてください。それでも、不意にネジからドライバが外れてしまうことがあります。そのようなトラブルを防ぐために、ドライバ先端部に、ギザギザの溝がついて滑り止めが施してあるものがあります。また、液状の薬剤を塗布することによってドライバ先端の摩擦係数をあげ、ドライバが滑る現象を防ぐ滑り止め防止剤という製品も販売されているようです。残念ながら、我々のブランドKTCでは販売していいませんが、インターネットなどで検索してみてくださいね。

 

ドライバの使い方についてはこちら

▶工具はともだち<11>


そのほかに、六角ボルトの角が取れて、丸くなってしまったネジを緩めてくれる工具もあります。最近の自転車は、デザインや整備性などの関係からあまり使用されることはないものの、ソケットレンチやめがねレンチ、スパナなどを使用してネジを回す場合があります。

 

そんな時によくあるのですが、工具をキッチリとネジに差し込んでいなかったり、工具とネジのサイズが合っていないまま回してしまったり…すると、六角ボルトの角が削れて、その後工具がキッチリ入らなくなってしまうこともあります。「しまった!」と思っても手遅れ。通常の工具では、ネジを緩めることはできません。

そんな冷や汗をかくような状況を打破してくれるのが、「ツイストソケット」と呼ばれる“ともだち”です。ソケットの口径部が、文字どおり「ツイスト=ひねり」形状をしており、角が丸まったボルト・ナットに鋭角の歯がかみ込むことで、締まったボルト・ナットを緩めてくれます。

 

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一件花形のような特長的な形状のツイストソケット


ただしこの場合、取り外したボルト・ナットは、再利用することが出来なくなりますのでご注意ください。いずれにしても、工具はボルト・ナットにあった適切なものを、正しい使い方でご使用くださいね。

今回紹介した工具の詳細はこちら

ツイストソケット 製品一覧

https://ktc.jp/ツイストソケット

ボルト、ねじの締結についてはこちらをチェック!

トルク管理を徹底解説!

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ねじの基礎知識

https://ktc.jp/kiso/lesson/screw.html

 

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