増加する脱輪事故

最近、普通乗用車・大型車を問わず脱輪による事故の話題を目にした方も多いのではないでしょうか?

国交省の資料に拠ると、大型車でのタイヤ脱輪事故は令和4年度(2022年度)で140件発生し、前年から増加傾向にあります。

こうした傾向を受け、「道路運送車両法の一部を改正する法律等の施行に伴う整備管理者制度の運用について」(平成15年自動車交通局長通達(国自整第216号)等を改正、脱輪事故を起こした運送事業者と整備管理者が行政処分の対象となる内容が盛り込まれ、今年10月1日から施工されています。

 

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こちらは大型車でのデータになりますが、タイヤの脱輪対策の必要性は、大型車・普通車どちらも変わりありません。

トルクレンチを使って確実な作業を

ホイールナットの締結には各自動車メーカーが定めた規定の締付トルクが存在します。

締結時には、トルクレンチなどの計測機器を用いた締結を実施します。

整備事業者においては、単にトルクレンチを使用することに加え、対角締めの順序や閉め忘れ防止策、チェック体制など『作業管理/トルク管理』を実施し、作業者ごとのばらつきが起きないようにすることも重要です。

また、使用するトルクレンチは定期的に点検・校正し作業の安全性を保ちましょう。

 

 

 

タイヤ交換後の点検を忘れずに!

タイヤ交換においても、整備工場やディーラーで作業をしてもらったから大丈夫、プロに任せたから大丈夫...と思うかもしれません。もちろん、確実で安全安心な整備を実施することは整備事業者の責務です。

ご自身で作業される方も、トルクレンチを使って締め付けたから大丈夫と安心していることもあるかもしれません。

 

トルクレンチなど適切な工具を正しく使用し、規定トルクで締結を行うことは大前提ですが、ボルト・ナットの劣化具合、走行中の衝撃・振動、温度変化など様々な要因によって、規定トルクで締結した場合でも緩みが発生する可能性があります。

自動車の整備不良で起きた事故で責任を負うのはドライバーや運行者に他なりません。

ご自身でタイヤ交換をされた場合も、整備工場で作業した場合も、タイヤ交換後の点検は必ず実施するようにしましょう。

 

タイヤ交換直後に締め忘れ、組付けミスがないかチェック、その後50~100km程度の走行後緩みが発生していないかチェックすることをおすすめします。

大型車の運行前には点検ハンマ等でのチェックの徹底、ドライバーへの教育にも取り組んでいかなければなりません。

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適切な工具を正しく使用、点検も怠らず実施して脱輪を防止することは、周囲の人々とドライバーの安全に繋がります。整備をする側・運転する側が双方責任をもって意識し、取り組んでいくことが求められています。

関連情報

トルクレンチの基礎知識

https://ktc.jp/torque/

『足回りメンテナンスソリューション』製品のご紹介

https://blog.ktc.jp/archives/tire-service-station-car01

『大型車(トラック・バス) 足回りソリューション』のご紹介

https://blog.ktc.jp/archives/large-undercarriage-maintenance-car01