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本記事は産経デジタル 「cyclist」にて掲載されていた連載記事を再録したものです。
一部修正・画像の差替えを行っておりますが、内容は掲載日時点のものとなっておりますのであらかじめご了承ください。
(cyclist掲載日:2014/8/10)
#43ソケットとの組み合わせでメンテナンスの幅を広げる駆動工具
さて、前回に引き続き、駆動工具についてもう少し掘り下げていきます。「駆動」を辞書で調べてみると「動力を伝えて動かすこと」と書かれています。つまり、工具類に力を加えることによって、ボルト・ナットを回しやすくするのが駆動工具の役割です。
駆動工具類には、ラチェットハンドルをはじめスピンナハンドル、スライドヘッドハンドル、ドライバ型ハンドルなどが含まれ、それぞれに特徴があります。
ラチェットハンドルは名前の通りラチェット機構を備え、手の往復運動だけで素早い「締付け・緩め」作業を可能にしてくれます。レバーの操作で回転方向を瞬時に切り替えることもできます。最もメジャーな工具の1つなので、ご存知の方も多いかと思います。
スピンナハンドルはブレーカーバーとも呼ばれ、先端にソケットレンチやビットソケットを接続するのが基本的な使い方です。ハンドル部分がラチェットハンドルよりも長いので大きな力をかけることが可能で、強く締まったネジを緩める時に威力を発揮します。ヘッド部は折り曲げることができ、ネジに対してまっすぐにすれば早回しが可能です。自転車に使用されているボルトは比較的低い力で締付けられているので、使用頻度は多くはありませんが、タイヤ交換などに使うと作業がはかどりますよ。
スライドヘッドハンドルも、この工具だけではネジを回すことはできず、ソケットレンチなどをヘッド部に差し込んで使用します。ヘッド部はバーの両端までスライドさせることができます。力をかけたい場合は、ヘッド部をバーの先端にスライドさせて使用。ヘッド部をバーの中心にした場合は、スピンナハンドル同様、早回しして使うことができます。使用される方の好みもありますが、私は早回しに使うことをお勧めしたいですね。
その他にも、アルファベットの“T”のような形状をしたT形ハンドルや、ハンドル部分がドライバ型の形状ながら先端部分にラチェットハンドル同様の差し込み角が設定されているドライバ型ハンドルなど、駆動工具には多くの種類が存在しています。
▶9.5sq.ドライバ型ハンドル BD20
時々、工具好きの方から「違うメーカーの組み合わせで使うと、接続部にガタツキがでませんか?」という質問をされます。答えは「でます!!」。なぜなら同じ工具類でも、メーカーによって寸法の余白のもたせ方はさまざま。たとえ何十分の一であったとしても、ガタツキが発生してしまう可能性は大きくなります。できれば、同じメーカーにそろえていただきたいです。