『工具はともだち』について

本記事は産経デジタル 「cyclist」にて掲載されていた連載記事を再録したものです。

一部修正・画像の差替えを行っておりますが、内容は掲載日時点のものとなっておりますのであらかじめご了承ください。

工具はともだち<40>ケーブルやワイヤーのカットにふさわしいニッパ 刃物系工具の選び方

(cyclist掲載日:2014/5/18)

 

#39回す、挟む、切る サイクリストにオススメの一品「コンビネーションプライヤ」

 

今回紹介する工具は、刃物系。前回の記事に登場したプライヤーの仲間に属する製品で、ワイヤーカッタやニッパなどがその部類に含まれます。

pn1-125~200

 

切るといった行為には様々ありますが、自転車に関しては、シフトやブレーキなどのケーブル・ワイヤーのカットが挙げられます。クルマや二輪などでは、電気関係の配線などでも使用されているのは、ご存知のとおり。

カットする対象は線の太さ、材質など、非常に多岐にわたっています。このすべてに対応すべく、我々の工具類も、用途に応じた刃物類をご用意しています。

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まずは、ご存知の方も多いかと思います、ニッパ(ニッパーと伸ばす場合もあるようです)。先端が、刃物形状になっており、そこでワイヤー類を切断することができます。ニッパは、導線などの軟線の切断に向いている軟線用と、ピアノ線などの硬線や太い線に向いている硬線用が存在します。樹脂などの被覆線中のワイヤーを切断することなく、被覆のみをはがすことができる皮むき用の穴が配されているものが、メジャーになってきています。

一本二役のニッパ

KTCのニッパは、軟線と硬線の両方を一本で作業できるように歯先の角度を少し工夫しました。先端では軟線向き、根元は硬線向きといった仕様で、ユーザーがあまり多くの種類の工具を揃えなくても済むように配慮をしています。
ニッパを選ぶ際に重要なポイントは、切断能力です。その工具がどの程度の太さ、材質のワイヤーを切ることができるかを確認し、それに適した大きさやタイプを選んでください。自転車のシフト用ケーブルのインナーワイヤーは、1.1~1.6mm程度のものがよく使われているようですので、硬線の切断能力がそれ以上あるものを選択するようにしましょう。

工具が持つ切断能力以上のものに誤って使ってしまうと、カットできないだけでなく、歯先の破損に繋がりますし、破損した破片でケガや車両のキズにも繋がってしまう恐れがあります。特に注意してください。

 

ニッパの刃の種類と特徴

 

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ニッパは線材を切断するシンプルな工具ですが、対象物の材質や太さ、仕上がりなどから適切な選択をすることが重要です。