Index
チームAutoLaboにメカニックとして参戦するKTCスタッフの参戦レポートをお届けします!
皆さん、こんにちは。
いつも、S耐レポートをご覧いただきありがとうございます。あっという間に、2024年も最終戦を迎える時期になりました。最終戦は、長いストレートで有名な富士スピードウェイでの開催です。素ヤリスにとっては、最も速度差が出て、毎戦苦戦を強いられるサーキットです。果たして、その最終戦の結果は・・・!
木曜日、いつものように、AutoLaboガレージに集合。慣れた手順で、積み込みを完了させ、サーキットへ出発。午後には、到着し、搬入、ピット設営を終え、戦いの準備を整えていきます。今回も、トヨタ自動車の方に同行いただき、データ取りの準備、機器類の装着を行い、来シーズンへの準備も進めていきます。
車両のチェック、アライメント調整を完了させ、準備は、完了。
ここまでは、何の問題も発生していません。
翌日、公式練習日スタートです。
今回は、“TGR TEAM au TOM’S”伊藤大輔監督にも、ドライブしていただきます。
走行時間は午前90分×1回と、午後に90分×1回。4名のドライバーに、各々役割分担を決め、練習走行を開始。
ガス欠症状などの確認等、練習走行のメニューを確実にこなしていましたが、天候がどんどん悪化。長いストレートは、100m先が見えないほどの濃霧状態に。結局、安全が担保できないと大会運営サイドの判断で、練習走行は、キャンセルに。
S耐もですが、今シーズンは、スーパーGTでも予選キャンセルが続くなど、モータースポーツは天候に意地悪された一年だったように思います・・・。
早々と練習走行がキャンセルとなってしまったため、予選に向けたガソリンチェック等を終了させ、明日に備えることになりました。走行経験の少ないドライバーを今回は採用していたので、出来れば、走行枠全てを使いたかったのですが、天気には勝てないですね。
翌日の土曜日、予選日。
連日の雨の影響で、芝が路面に散らばっている等、路面状態はあまりよくありません。いやな予感がします。
そんな気分をよそに、予選は定刻通りはじまりました。天候は曇り。時折霧雨も混じる微妙な状況です。
いきなり、タイムを刻むような走行はせず、決勝を見据えたドライバー交代の練習や、ブレーキの焼き入れなど、状況を整えていきます。順調に各ドライバーの走行を進めて、Bドライバーに交代した矢先、無線が・・
「当たっちゃいました・・・」
どうやら、コーナーの縁石に乗った際に、芝に足元をすくわれ、車両のコントロールを失って、クラッシュしてしまったようです。
ただ、走行は出来るとのことなので、すぐにピットに戻させます。幸いにして、ドライバーのケガもなく、車両もエアロパーツのみを簡易補修し、ドライバーを交代して、走行しましたが、予定時間が過ぎ一旦走行終了。
ピットに戻ってきた車両を再度チェックします。クラッシュの影響は少なそうですが、次の走行までの短い時間を活用し、壊れたエアロパーツの補修等を行い、予選に備えます。
あっという間に、予選タイムアタックです。
各ドライバー、自分の走行時間内で、全力でタイムアタックを進めます。が、ストレートの長い富士では、他社とのタイム差はなかなか詰まりません。コーナーは、同クラス車両と遜色なく走行できるのですが、トップスピードの差は歴然で、一周で、3~4秒差がついてしまいます。残念ながら、予選はクラス15番手。ある程度苦戦は予想していましたが、それを覆すことが出来ませんでした。決勝は、戦略で挽回を・・・。
走行終了後は、車両のチェックと、明日に備えたチームミーティングを行い、サーキットを離れます。
夜のお食事。
予選後普段は、各自部屋に戻って明日の準備をするのですが、今回は最終戦。団結と決起を目的に、チームのお食事会を実施。今日の反省と明日の作戦を、真剣ながら、和気あいあいの雰囲気で、会話が、はずみます。コミュニケーションも図れ、予選結果に落ち込む空気もなくなりました。
明日は、みんな輝けるかな・・・。
翌日、2024シーズン 最終戦 決勝日です。
決勝は、午後からです。午前中のピットウォークでは、最終戦ということもあり、非常に多くのお客様が来場してくれています。素ヤリスもいつもよりも多くの方に、写真や動画を撮っていただけたようです。
にぎやかなピットウォークの終了後、すぐに、決勝の準備に取り掛かります。
暖機、不具合箇所チェック等、決勝に向けた最終チェックです。特に問題は、ありません。
あとは、スタート開始を待つのみ。
チーム紹介が終了し、あっという間に4時間の耐久レーススタート。
今回もスタート直後の混乱は発生せず、各車順調に走行を重ねていきます。素ヤリスも順調で、予選と同等タイム、昨年のレースラップより、2~3秒は速いタイムで走行をしてくれています。苦戦を強いられる場面も多くありますが、進化、熟成がうかがえます。
スタートして40分を過ぎたあたりで、他クラスの車両がクラッシュ。ガードレールは破損し、車両は横転するといったかなりのクラッシュのようです。FCY(フルコースイエローで50㎞/hで全車走行します。)となり、その後SC(セーフティーカー走行)となったのですが、乗車時間があることから、ピットインできるチームも少ない状態が続きます。ほどなくして、レースは赤旗の中断となりました。大会側アナウンスでは、レース再開は30分後と一旦案内されましたが、思ったよりもコースの修復、特にガードレールの修復に時間がかかり、赤旗中断時間は、1時間に及びました。
赤旗中でも、ルール上レース時間は動いていきます。
乗車時間を考えると、Aドライバーをすぐ交代させなければなりません。慌てて、レース再開周にピットインをさせます。各チームスタートドライバーは、タイムを出せるドライバーを選出しており、一斉にピットインをさせていきます。
一気に車両がピットインしますから、混雑によるトラブルのリスクは、非常に大きくなります。接触する可能性も、増加します。富士であれば、車両の左側で作業するドライバーサポートとタイヤ交換作業者が、その対象になります。
いつも以上に、周りの状況に配慮し、作業を行います。
素早く、給油、タイヤを交換。ドライバーチェンジも実施。再度、コースに送りだします。
交代した初参戦のDドライバーは、急なシチュエーションでのピット作業でしたが、交代後も落ち着いた走行をし、徐々にタイムも上がっていく走りを見せてくれています。順調に走行を続けていたのですが、30分を過ぎたころで、本日2回目のFCY。しかし、これは落下物の回収のためすぐにグリーンフラッグとなりました。
…が、またまたすぐに本日3回目のFCY。またもや、ガードレールが破損するほどのクラッシュが発生し、SC→赤旗中断となってしまいました。波乱のレースです。
これほどクラッシュで赤旗中断になることは珍しく、私も、過去ほとんど経験したことがない展開です。
赤旗による中断時間は1時間となり、残り40分ほどとなり、実質スプリントレース始まりです。ピット回数義務も、急遽3回から2回に変更となったことから、残りのピットストップ作業を行い作業義務も、消化。ドライバー交代、給油をこなし、チェッカーを目指します。
ピットアウト後も、順調な走行を続け、11位でチェッカー。
残念ながら、ポイント獲得はなりませんでしたが、車両トラブルの多かった今シーズン最終戦を、しっかりとノートラブルで走りきれたことから、良いシーズンの終わり方にも思えました。
来シーズンは新たな試みも計画しているAutoLaboは、すでに2025年シーズンに向けスタートしています。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来シーズンも皆さんの応援をお待ちしております。