2023スーパー耐久シリーズ6・7戦をレポート

9月の第5戦(もてぎ)のST-5クラスは未開催であったため、ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE 「第6戦 岡山 (10/21~10/22)」と、 「第7戦 冨士(11/11~11/12)」へ参加した、KTC社員花﨑氏のレポートをお届けします!

第6戦 岡山国際サーキット

第4戦ではエンジンブローもあり、スペアエンジンへの交換を行い決勝を走り切りましたが、オイルクーラーなど無い状態で走行したことから、油温も高い状態で走行したため、エンジンの損傷が激しく、第6戦からは新しいエンジンを投入することとなりました。

木曜日から搬入を行いながら、車両の確認とエンジン慣らし走行を実施することからのスタートとなりました。
走行毎に、KTCの工具を使いながら、プラグの様子を確認し、エンジンの状態も観察👀
大きな問題もなくエンジン慣らしを行い、走行メニューを熟すことができました。

 

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金曜日の走行からは、全開走行状態にて、車両のセットアップを実施。
岡山国際サーキットはトップスピードが全体的に低くなることから、最高速が伸びない素ヤリスは、他車との差を詰めやすいサーキットで、コーナーでは、他クラスに負けない走りができることから、コーナリング重視のセッティングの方向にアジャストさせました。

土曜予選日は、朝から雨模様で予選が開始される頃には、本格的な雨に・・・。 路面がウェットになったことで、FR車(ロードスター)勢とのタイム差も少なくなり、Aドライバーはクラス9番手!このままBドライバーの予選時もウェットコンディションとなってほしかったのですが、徐々に天気は、雨から曇りに。Bドライバー予選時には、路面も乾きだし、結果的にはFR車勢とのタイム差が顕著になり、予選は11番手と、悔しい結果となりました。

決勝

翌日曜日の決勝は、快晴。

3時間耐久レースであることから、素ヤリスはタイヤ無交換で、2回のピットストップを予定していました。


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しかしながら、天気が良く、走行ペースも好調なことから、残り1時間のタイミングで2回目のピット作業を実施。その際に、給油とフロントタイヤ交換を実施しました。

その後も順調に走行をしていたのですが、チェッカーまで残り5分となった時点で、1コーナー進入のブレーキング時にタイヤが外れてしまい、グラベル(砂利)にストップ。
リザルトは、完走扱いになったもののチェッカーを受けることができず、2戦連続残念な結果となってしまいました。

レース後回収された車両を見ると、疲労によるハブボルトの破壊が、原因でした。

 

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レースでのピット作業は、タイムを0.1秒でも縮めようとするので、通常トルクレンチによるトルク管理を行わず、事前に行う練習の中でインパクトレンチの打撃回数とエア圧の調整によってトルク管理しています。
レース業界でもたまに聞くのは、締め過ぎによる破断や締結不足からガタツキの発生や破損でしたが、素ヤリスは1台のみの参戦でもあることから、車両の情報量も多くなく、ハブボルトの耐久力以上の負荷を加え続けた結果、今回の疲労破壊となってしまいました。
改めて、トルク管理の重要性を知る機会でもありました。

第7戦 富士スピードウェイ

第7戦は、前戦開催からの期間が短い為、タイヤの脱落により破損した箇所の修正などを急ピッチで行い、レースに臨みました。
 今シーズンは2回目参戦の富士スピードウェイであることからセットアップなどの方向性は見えているものの、前回から車両の改良点が多々あったため金曜日の走行はセットアップを重点に置きました。直近2戦の反省会を実施し、車両に対する各スタッフのモチベーションを高い状態を維持し、臨みました。  土曜日の予選は、13番手ではあったものの順調に走行し、最高速がタイムに大きく影響する富士でも、コーナリングでは、他車と同じくらいに走行できるくらいに1年間で進化し戦えるようになりました。

決勝

決勝は、4時間耐久レース。前回のレースで体験した残り数分での出来事もあり、全員が最後のチェッカーまで息をのんで見守っていましたが、素ヤリスは、トラブルも発生せず、無事に完走でき、2023年シーズン最終戦を走り終えることができました。

 

今シーズンは、様々なトラブルや困難な出来事が続いたこともあり、今回無事チェッカーを受けたときは、チーム全員が安堵と達成感で、握手を交わすことが出来ました。

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既に来シーズンに向けた取り組みを始めています。

是非来シーズンも多くのご声援を
お願い致します。