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3月18日~19日に第1戦 SUZUKAそして、5月26日~28日に第2戦 FUJI SPEED WAYで、ENEOS スーパー耐久シリーズ2023が開催され、KTC社員の花﨑氏が、今年もチームAutoLaboでレース参戦しています!
チームAutoLaboが昨年から使用しているマシンはよくレース会場で見る3枚ドアのGRヤリスではなく、5枚ドアの素のヤリス。
昨年同様のST-5クラスで、出場している注目マシンだ!
しかし、ST5クラスは熟成されたマツダロードスターやホンダFITなど激戦のクラスです。
ライバルは、熟成されたパーツなどを駆使し、レース用のマシンとしてセッティングされています。
素のヤリスは、レース用のマシンではないため、速いマシンに仕立て上げるのは、メカニックの腕の見せ所です。
耐久レースでは、ドライバーが交代します。特に、24時間レースともなると、睡眠不足や、走り続けた疲れが蓄積し、少しの判断ミスが大きなリスクにつながることも。
そこで、昨年からドライバーの操作性を向上させるべく、ハンドル周りのスイッチを変更。昨年からマシンを改良していく中で増えたり形が変わったりなど操作しにくくなってきたところを見直しました。
特にレース中に判断に気を取られて、タイムロスにつながらないように位置や形状の見直しを実施。
実際に走るドライバーの感想を聞きながら、入念にセッティングを行いました。
ドラムブレーキとブレーキパッドは耐久レース専用はなく、純正品!!一般道でのテストは充分にこなした信頼できる製品ですが、もちろん耐久レースを前提には作られていません。耐久レースでの使用は、24時間走れるのか、それとも走れないのかも誰も分からない、まさに”走る実験室”でした。
昨年のレースでは、想定以上にドラムブレーキが消耗してしまったことで、ブレーキが利かなくなり、大きなタイムロスをしてしまいました。
そんな苦い経験から、ドラムブレーキ自体を冷やすために冷却するための部品を製作し、新たに取付け。
2つの大きな対策を行い、レースシーズンに突入しました。
ST-5クラスは1回でのピット作業での給油量が20ℓと決められている為、ピットタイミングが重要です。最もロスが少ないタイミングで、機会があれば逃さないように細心の注意が必要です。
第1戦 SUZUKA大会でも、最新の注意を図りながら燃費計測を行い万全のピット作業を行いましたが、安全走行のためのセーフティーカーや、FCY(フルコースイエロー)などで、惜しくも9位に。もう少し上位を目指したかったですが、何とかポイントをゲットできました。
24時間レースと聞いて皆さん、どう思われますか?眠たい?疲れる?いいえそれだけではありません。マシンも同様に悲鳴をあげるのです…!
特に、素のヤリスにとっては、放熱しにくいことなどからレースでの採用は少ないドラムブレーキをあえてそのままにして戦っています。
しかし、今回は違います。先述した通り、放熱する改造を施し、万全な対策を行いました。
そんな24時間レースでは、レース中に1回は10分以上のピットストップがレギュレーションとして決められており、各チームはその10分間でメンテナンスタイムとして作業を行います。 作業はシンプルで、ピットロードに入った時点で時計は進み始め、ピット内に入ると、ドライバーの交代をしているそばで、オイル交換、フロントブレーキのローター/パッド交換、リアのドラムブレーキのAssy交換をおよそ7分間で行います。 その後ピット前に車両を押し出し給油も行ってからピットアウトするところまでが10分となる様に練習を行いました。 今年の24時間レースでは、KTCのABX105をフロントブレーキのピストン戻しに使用して頂き、フロントブレーキの交換作業の短縮(約30秒)できたことで他の作業のサポートなどできるようになりました。
そうして、昨年の経験から万全のマシンセッティングを行った素のヤリスの結果は9位。2022年では走り切れなかった24時間を走り切ることができ、大きな前進となりました!
素のヤリスは、シーズン中もどんどん進化しています。ぜひ、レース会場で応援してください!!
スーパー耐久シリーズ2023スケジュール
2023/7/8-9 SPORTSLAND SUGO(3時間レース)
2023/7/29-30 AUTOPOLIS
2023/9/2-3 MOTEGI(ST5クラスは参戦なし)
2023/10/21-22 OKAYAMA
2023/11/11-12 FUJI SPEED WAY
レース詳細はコチラ!
KTC社員がメカニックとして参戦するレースに大注目!