Index
京都機械工具株式会社は、2021年9月より、ナンバーナインファクトリー株式会社と協業し、『現場にこだわり、積極的な失敗から学ぶ』次世代自動車エンジニア育成事業(以下、本事業)を、KTC本社・久御山工場にて開始します。本事業の目的として、新しい価値を生み出せなければ大手企業でも淘汰される100年に一度のモビリティ変革期を生き抜くための、次世代自動車エンジニアの育成を最重要課題としています。
・現在の自動車開発の現状
現在の自動車開発環境は、高品質&低価格な新型車を競合他社に対して1日でも早く市場に投入するために、車両開発日程の短縮化が進み効率化重視の開発が主流です。実車を用いたテストを減らしシミュレーションによるバーチャル評価を主とした試作レス開発が標準となったために、エンジニアが実車を見る機会は少なくなっています。
・ナンバーナインファクトリーが考える現在の自動車開発の問題点
エンジニアが現場でクルマに触れる機会はなく、現場で失敗から学び技術力を身に付ける機会は激減しています。100年に一度のモビリティ変革期と言われる現在、日本自動車産業が純国産乗用車の開発を始めた70年前のように、エンジニアは現場でクルマと向き合い、挑戦と失敗を繰り返すことで技術力を高め、エンジニア自身の手で現場から新しい価値を生み出すことが必要だと考えています。
・KTCが考える「安全作業技術」、「技育」とは、
自動化された製造ラインの進化が続く自動車業界においても、組立製造および完成販売後の点検保守は、その大部分がヒトの手作業と工具で実施されています。これらの製造・保守現場におけるメカニックの作業課題、整備技術、専用工具などの見識を深めることは、デジタルエンジニアリング、機能分業設計が進む、自動車開発エンジニアの上流工程において、安全性、信頼性、保守性などの価値を高めるものであると考えます。
KTCは、工具の基本的な使い方、自動車専用工具の開発・製造時の安全性評価の考え方などの知識とともに、実際のクルマに触れることは、クルマのライフサイクル全体を多面的・多角的に考察できる技術育成の機会になり得ると考えます。
また、KTCでは、技術の教育『技育』を提案しています。若年層からものづくりに親しみ、モノの構造を理解した技術者を育成するための教育コンテンツ、サービスを展開して参りましたが、本事業はその上位モデルと位置づけ、ナンバーナインファクトリーを協力、支援することにより、将来的にさらなる若年層、未来のエンジニア、メカニックへの展開を狙います。
ナンバーナインファクトリーが捉えている、現在の自動車開発の利点と課題を踏まえた“現場型”育成講座を展開します。
エンジニアとしての多様なキャリアを持つ現役エンジニアが講師となり、エンジニアである受講者と同じ目線で、現場での育成を進めることが可能です。
現役エンジニアが、大手自動車メーカーとベンチャー企業双方での「内部から見た自動車開発」と、自動車関連企業やモビリティ新規参入企業の開発を「外部から見た技術アドバイザー」として導いた経験に基づく、座学と実習・実践から構成される講座を展開します。
KTCのコンセプト「安全、快適、能率・効率、環境」を具現化した工具と作業環境で、工具のプロである講師から正しい使い方を学ぶことで、受講者であるエンジニアが安心・安全にクルマに触れることができ、クルマと向き合いチャレンジ&失敗をしながら技術力を高めることができます。
「①エンジニアの意識を変える座学」を、10月25日(月)に実施致します。
この講座では、受講者は来場せず、KTC社内スタジオ在席の講師とウェビナー(オンライン講座)形式にて接続、対話型講座となります。
講座当日の会場(KTCものづくり技術館内スタジオ)での取材については、事前に申請・承認が必要となります。会場での取材を希望される方は事前に当社までご連絡下さい。
(新型コロナウイルス感染拡大対策のため、入場者数を制限させていただく場合がございます。)
京都機械工具株式会社 ブランドデザイン部
本件担当:猪口
電話番号:0774-46-3716